香港GEM市場
GEMとは “Growth Enterprise Market” の略。「成長企業市場」の意味で、香港証券取引所のメイン・ボード(主要市場)とは異なり、香港、中国、台湾、ケイマン、バミューダなどのベンチャー成長企業に資本調達の場を提供することを目的に、米ナスダックをモデルに創設された「香港版ナスダック」というのが、設立当時のふれこみだった。
1999年11月25日にタイムレス・ソフトウェアとチャイナ・アグロテック・ホールディングスの2銘柄によってスタートしたGEMは、1年10ヶ月後の2001年9月現在、上場銘柄数は89社で、時価総額はHK$525.7億。
GEMは成長企業育成という目的から、香港のメイン・ボードが過去3年間で5,000万香港ドルの利益を義務付けているのに対し、設立後間もない、つまり業績実績のない赤字企業にも上場を認めるなど、上場基準が大幅に緩和された一方で、より厳しい制約が課せられている。例えば,主幹事会社はメインボードでは上場前までにその責務は終了するが、GEMでは上場後最低2年間となっているし、企業の情報開示も、半期、本決算に加え、四半期の財務諸表の開示が義務付けられている。
しかし、投資家にとっては、企業の上場基準が緩和されたということは、メインボ-ド上場企業に投資するより大きなリスクが伴うことになる。このため、GEM上場企業の株式売買に先立って、投資家はリスクについて認識していることを証明する合意書“ Risk Disclosure Statement(GEM)”を証券会社と取り交わす必要がある。
GEM指数の値動きは以下の通り。
揺籃期=隆盛期:1999年11月~2000年3月
GEM市場の値動きは、発足当初そのモデルとなった米ナスダック市場が絶頂期にあったこと、また、GEM上場銘柄がハイテク、IT関連、バイオテクノロジーといった流行の業種が多かったことなどで、1997年の香港返還を前にしたレッド・チップ相場を想起させるものがあった。例えば、前述のタイムレス・ソフトウェア、チャイナ・アグロテック・ホールディングスは初日の商いで、IPO価格比でそれぞれ156%、129%まで上昇し、翌2000年3月に上場となったチョン・コン・グループのネット・ポータル企業、トム・ドット・コムに至っては初日にIPO価格の6.4倍まで跳ね上がった。応募倍率もトム・ドット・コムが669倍、また、サン・フン・カイ・プロパティーズ傘下のIT企業,サン・イ・ヴィジョンのそれは217倍とバブルの兆候を示した。2000年3月20日から、同年3月17日を1,000ポイントと設定したGEM指数がスタートし、3月27日に1,045.32ポイントの史上最高値を記録した。
低迷期:2000年4月~現在
ITバブルの崩壊とともに、長期低迷状態に入り、2001年7月からはほぼ連日のように史上最安値更新。9月21日現在、指数は160.62ポイントまで落込み、高値からの85%の下落となり、米ナスダック指数の下落率73%を上回る。